最近、マタ・ハリという美女スパイのことを知った。なんでも「世界一有名な女スパイ」だとか(全然知らなかった……)。
マレー系の血が入ったオランダ人。写真を見てみると、もう妖艶という言葉そのものを体現したようなとんでもない美女。
世界大戦中にドイツとフランスの間で二重スパイとして活躍した。
まるでアラビアン・ナイトに出てきそうな衣装だ。
この美貌で、フランスとドイツの数々の要人とベッドを共にし、情報を抜き取ったとか。これぞ典型的なファム・ファタール。
「ファム・ファタール」とはフランス語で「運命の女」の意味。男性を破滅させる魔性の美女という意味で使われる。日本語風に言えば「傾国の美女」と言ったところだろうか。
このファム・ファタールに私は弱い。人を破滅させるほどの美を持っている人間が、この世に何人いるだろうか。
それはある意味、絶対的な美かもしれない。抗うことのできない強烈な美しさ。
「存在そのものが美」なんて、すごい。
1917年にスパイ容疑で、フランスで捕えられた彼女は、銃殺刑に処される。処刑前のマタ・ハリの様子についてはいろいろな逸話があるようだ。
あまりの美貌に、銃を撃つ者に目隠しが必要だった、とか、彼女は与えられたブランデーは飲んだが、木に括り付けられそうになると拒否した、などなど。美女には常に噂がつきまとう。
マタ・ハリを題材にした映画や小説は多くある。ジェームズ・ボンドシリーズの「007 カジノ・ロワイヤル」に出てくるヒロインも、マタ・ハリをモデルにしているとか。
この間見たばかりだから知っていればよかった、と思ったが、よく調べたら、ダニエル・クレイグ主演の「カジノ・ロワイヤル」ではなくて、1967年のデヴィッド・ニーヴィン主演の昔のバージョンだった。「カジノ・ロワイヤル」って2つあったのね……。
というわけで、「私の勝手な美女リスト」にマタ・ハリもメンバー入り。どこかで何かイベントや展示などやらないかしら。
イギリスには、その美しさで娼婦から貴族になったエマ・ハミルトンというファム・ファタールがいる。ロンドンで開催された、彼女の生涯を追う展示のレポもぜひどうぞ。
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